歯周病は治る?原因や症状について解説

はじめに


「歯周病は治るの?」と疑問に思っている方はいませんか?
歯周病は口のなかに細菌がたまることによって、歯肉に炎症が起こった状態です。
歯周病の症状を抑えるためには、毎日のブラッシングや定期的なクリーニングによって健康状態を保つことが重要になります。
この記事では、歯周病の原因や症状、治し方、予防方法についてお話しします。
歯周病の症状で悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

歯周病は治るのか

口のなかには常に細菌が存在するため、歯周病自体を完全に治すことは難しいです。
しかし、日々の予防や適切な治療をおこなうことで、症状がでるのを抑えられます。
症状を抑えるためには、歯周病の原因になる細菌を口のなかで増やさないように維持する必要があります。
そのためにも歯周病の原因や症状をよく知って、口のなかを健康に保つ対策をおこなうことが大切です。

歯周病の原因

歯周病のメカニズム

歯周病は日々のブラッシングが十分にいき届かず、歯と歯肉の間に汚れがたまって細菌が増え、炎症を起こした状態です。
人間の口のなかには、400以上の細菌が常に存在しています。
ブラッシングで口のなかをきれいに保てなかったり、甘いものを好んで砂糖を多く摂取したりすると、細菌はネバネバした物質(プラーク)に変化します。
プラークは時間がたつと歯石になって歯に密着し、ブラッシングだけでは除去できない状態になるのです。
細菌の集まりであるプラークや歯石がたまっていくと、歯肉に炎症を起こし、赤くなったり腫れたりする症状が見られます。

歯周病を増悪する因子

歯みがきの仕方が悪いことだけでなく、糖尿病や喫煙、妊娠、中年以降の年代などは歯周病を増悪する因子だと言われています。
また、不適合な義歯や被せ物、ストレス、遺伝、薬の長期服用、口呼吸などもリスクが高まる原因です。
これらの因子に当てはまる場合は、歯周病が発症しやすかったり、発症したときに進行が早かったりするため、念入りに予防する必要があります。

歯周病の症状

歯周病に見られるのは主に以下の症状です。

  • 歯肉からウミがでる
  • 歯肉が赤く腫れる
  • 歯がグラグラになる
  • 歯みがきで歯肉が出血する
  • 口臭がでる

歯肉まわりの炎症が進むと歯を支えている顎の骨が溶かされるため、歯が不安定になって上手く噛めなくなります。
顎の骨が溶けた場合はもとに戻らないため、最終的に歯を抜く可能性も高いです。

歯周病の治療方法

クリーニング 

歯周病に対するクリーニングでは、専用の機器を使用して歯の表面やポケット(歯と歯ぐきの間)に付着したプラークや歯石を取り除きます。
特に歯石は日々のブラッシングでは取り除けないため、クリーニングによって除去できると歯周病の改善が期待できます。
クリーニングは歯周病の症状がでていなくても、定期的に受けてたまった歯石を除去し、口のなかを清潔に保つことが大切です。

手術

手術が必要になるケースは、歯周病でポケットが深くなった状態が続いた場合です。
ポケットは通常1〜2mmほどの深さですが、歯周病によって歯肉が腫れると4〜6mmほどになります。
深くなったポケットは通常、ブラッシングやクリーニング、噛み合わせの調整などによって改善されます。
しかし、それでも歯石が歯肉の下にたまるほど増えている場合は、4mmを超える状態がなかなか治りません。
ポケットの深さが十分に改善されない場合は、手術の適応になります。
手術では麻酔をして歯肉をはがし、歯の根元に付着した歯石を除去してポケットの深さを減少させます。

歯周病の予防方法

メンテナンス

歯周病を予防するためには、3〜6ヶ月ごとのメンテナンスがおすすめです。
メンテナンスの内容は主に以下になります。

  • 歯周病の検査
  • ブラッシングの確認
  • 噛み合わせのチェック
  • 生活習慣の指導
  • 歯のクリーニング
  • フッ素などによる虫歯の予防

定期的に歯のメンテナンスを受けると、プラークや歯石がたまることが減り、口のなかの健康を維持できます。
また、歯周病は自覚しにくい病気であるため、再発や進行の状態を歯科医師に診てもらうことで、歯を失うリスクを減らす効果もあるわけです。
日々のブラッシング指導もしてもらえるため、歯のみがき残しがなくなりやすくもなるでしょう。

歯の適切なケア

毎食後のブラッシングはできるだけ欠かさずにおこないましょう。
歯ブラシを歯や歯肉に当てて軽い力で小刻みに動かし、1箇所につき10〜20回ほどみがいて汚れを落とすことが大切です。
プラークは粘着力が高く落ちにくいため、1日1回は5分以上の時間をかけておこなうと良いでしょう。
特に就寝中は口のなかの細菌が増えやすいため、寝る前は丁寧にみがいてください。

まとめ

口のなかには細菌が常に存在しているため、歯周病を完全に治すことは難しいです。
しかし、適切な治療や予防策によって、症状を抑えることは可能です。
歯周病の原因であるプラークや歯石をためないように、日々のブラッシングや定期的なクリーニングを心がけましょう。
特に歯周病を増悪させやすい糖尿病の方や喫煙者、妊娠している方は、念入りに対策することが大切です。

当院では歯周病の治療や定期的なメンテナンスについても対応しております。
歯周病の症状でお悩みの方は、ぜひ一度ご来院ください。