歯周病は早めの予防が重要!知っておくべき歯磨きのポイント
はじめに
歯周病は、歯を支える骨や歯ぐきに炎症を引き起こし、放置すると最終的に歯を失う原因となる病気です。しかし、毎日の丁寧な歯磨きによって予防することができます。今回は、歯周病についての詳細と、予防のために押さえておきたい歯磨きのポイントについてご紹介します。
歯周病ってどんな病気?
歯周病は、歯の周りにある歯茎や歯を支える骨などの歯周組織に炎症が起きる病気です。歯周病は進行する過程で痛みなどの自覚症状が少ないため、気づいた時には重症化していることがよくあります。早期の予防や治療が進行を防ぐ鍵となるため、日常生活でお口の変化に注意を払うことが重要です。以下のような症状がある場合は、早めに歯科検診を受けることをおすすめします。
歯周病の症状とセルフチェック
- 歯磨きで出血する
- 歯ぐきから血や膿が出ている
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯が浮いたような感じがある
- 冷たいものがしみる
- 口臭を感じる・人から指摘された
- 歯がグラグラしている
- 歯並びが悪くなったと感じる
歯周病の原因とリスクファクター
歯周病の原因
歯周病が起こる直接的な原因は歯垢(プラーク)が歯や歯ぐきに付着することです。
歯を磨いていないと、やがて口の中がネバネバとして、歯の表面がザラザラしてきます。この症状は歯に付着している歯垢が原因です。これは、単なる食べかすではなく、食べかすを栄養源として増殖した細菌の集まりです。歯垢が十分に取り除かれないまま成熟すると、悪性度の高い歯周病菌が増えて歯周病が発症してしまいます。
歯周病のリスクファクター
歯周病の直接的な原因は歯垢ですが、歯周病の発症には3つの要因が関係しています。それが「宿主因子」「細菌因子」「環境因子」です。これらの要因が重なることで、歯周病が発症しやすくなり、リスクファクターとなることがあります。以下に詳しくご説明します。
宿主因子(体の状態)
- 遺伝
- 年齢
- 深い歯周ポケット
- 歯石の沈着
- 糖尿病
- 口呼吸
- 歯並びが悪い
- 歯ぎしり・食いしばり
- 補綴物や詰め物の不適合
細菌因子
- 歯垢(プラーク)の増殖
環境因子
- 喫煙
- 薬の服用
- ストレス
歯周病予防で心がけること
毎日の歯磨き
歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きです。歯垢をしっかり除去するためには、歯ブラシの毛先を当てて磨くことで物理的に除去することが重要です。うがいだけでは歯垢を除去することはできません。
定期的な歯科検診
歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、定期的な歯科検診を受けることで早期発見・治療が可能です。また、歯ブラシでは落とせない歯石の沈着や、虫歯、被せ物や詰め物の不適合などのリスクファクターを早期に改善することもできます。
生活習慣の改善
歯周病は、ストレスや喫煙、食生活の乱れとも関連しています。唾液の減少や口の中の乾きも、歯周病を悪化させるため、食事の時によく噛んで唾液の分泌を促すことも意識してみましょう。生活習慣を見直して、バランスの取れた食事や規則正しい生活を心がけ、口腔内の健康を保つことが大切です。
毎日のプラークコントロールが重要
プラークコントロールとは、歯の表面に付着する歯垢(プラーク)を取り除き、口腔内の健康を保つための方法です。プラークは、細菌が食べかすや唾液と結びついて形成される粘着性のある膜で、放置すると虫歯や歯周病の原因になります。
プラークコントロールは、こうした病気を防ぐために、日常的に行う必要がある重要な口腔ケアの一環です。
効果的な歯磨きの仕方
歯ブラシの選び方
柔らかい毛先の歯ブラシを使用すると、歯ぐきを傷つけずにしっかりとプラークを除去できます。また、ヘッドが小さめのブラシを選ぶことで、奥まで歯ブラシが届きやすくなり、口の中の隅々まで磨きやすくなります。
ブラッシングの時間と頻度
1日3回、食後に2〜3分間かけて丁寧に歯を磨くことが理想です。特に就寝前のブラッシングは重要で、寝ている間に細菌が繁殖しやすいため、徹底したケアを行いましょう。
正しいブラッシング
歯周病の予防に最も重要なのが、正しいブラッシング方法です。特に歯と歯ぐきの境目に歯垢がたまりやすいので、歯ブラシの毛先を歯ぐきに対して45度の角度で当て、小刻みに動かしながら磨きます。
ブラッシングの力加減に注意する
強く磨くと歯や歯ぐきにダメージを与えることがあるため、歯ブラシの毛先がたわまない程度の軽い力(150〜200g程度)で磨くことが大切です。電動歯ブラシを使う場合も、軽い圧で丁寧に動かしましょう。
歯周病を予防を高めるセルフケアのポイント
デンタルフロス・歯間ブラシの使用
歯ブラシだけでは、歯と歯の間や歯ぐきのポケット部分の歯垢は完全に除去できません。歯と歯の間の歯垢もしっかり落とすことも重要です。歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを使用して、これらの部分も丁寧にケアしましょう。
洗口液を使ったケア
うがいだけでは歯垢は落とせませんが、しっかり歯磨きをした後に抗菌成分が配合された洗口液を使うことで、口腔内の細菌の増殖を抑えることができます。これはブラッシングの補助として、より効果的に口腔内を清潔に保つための方法です。
まとめ
歯周病は、進行すると歯を失う原因となる深刻な病気ですが、日々の適切なケアによって予防することができます。正しいブラッシングやデンタルフロスの使用、抗菌成分を含む洗口液を取り入れることで、歯垢を効果的に除去し、歯周病リスクを軽減できます。また、定期的な歯科検診で早期発見・早期治療を行うことも重要です。健康な口腔環境を維持するために、生活習慣の見直しとともに、毎日のプラークコントロールを習慣にしましょう。