歯周病の本当の原因とは?予防法も解説
はじめに
歯周病は、多くの人が抱える口のトラブルです。「年を取れば避けられないもの?」と思う方も多いでしょう。確かに、年齢とともにリスクは高まりますが、実は日々の習慣が大きく関わっています。歯周病の原因は単純ではなく、さまざまな要因で起こります。予防や対策をしっかり行うためには、まずその原因を知ることが大事です。ここでは、歯周病の原因と効果的な予防法についてお話しします。
歯周病とは?
歯周病は、細菌の感染が原因で起こる病気です。初期のうちは痛みがほとんどなく、自分では気づきにくいのが特徴です。しかし、放っておくと歯ぐきから膿が出たり、歯がぐらついたりと症状が悪化します。最悪の場合、歯を失うケースもあるでしょう。厚生労働省の調査によると、30歳以上の大人の半数以上が歯周病にかかっているといわれています。口臭が気になる、歯ぐきが腫れている、歯磨きの時に出血するなどの症状に気づいたら、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
歯周病の主な原因
歯周病の一番の原因は、歯垢(プラーク)です。歯垢は歯の表面に付くネバネバした細菌のかたまりです。実は口の中には400~700種類もの細菌がいますが、普段はあまり問題を起こしません。しかし、歯磨きが不十分だったり、甘いものをたくさん食べたりすると、細菌が増えて歯垢をつくります。歯垢はうがいでは落ちないくらい粘り強いので、きちんと歯磨きすることが大切です。放っておくと、歯垢が硬くなって歯石に変わり、さらに細菌が増えて歯周病が進んでしまいます。
歯周病の予防法
正しい歯磨きをする
歯周病予防の基本は、正しい歯磨きです。歯と歯ぐきの境目を意識しながら、やわらかめの歯ブラシで優しく丁寧に磨きましょう。また、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使うと、歯垢をしっかり取り除くことができます。理想は1日3回、食後に磨くことです。とくに、就寝前の歯磨きはとても大切です。寝ている間は唾液の量が減り、細菌が増えやすくなるからです。もし磨き方に自信がなければ、歯医者さんでアドバイスをもらうのもおすすめです。自分の歯並びに合った歯磨き方法を見つけましょう。
定期的な歯科検診を受ける
歯周病の早期発見と予防には、定期的な歯科検診が効果的です。半年に1回程度の受診が理想的です。検診では歯や歯ぐきの状態をチェックし、歯石の除去や歯のクリーニングも行います。これらの処置は、自分では難しい部分の清掃を補います。また、検診時には歯科医師や歯科衛生士から、適切な口腔ケア方法のアドバイスを受けられます。自分の口の状態に合わせた指導を受けられることは大きなメリットです。また、定期検診を習慣にすることで、健康な歯を長く保つことができます。
禁煙する
タバコは歯周病のリスクを高める大きな原因です。タバコを吸う人は、吸わない人に比べて歯周病にかかりやすいことがわかっています。タバコの煙には、歯にヤニをつけるタールなどの有害物質が多く含まれていて、その上に歯垢がたまりやすくなります。また、一酸化炭素やニコチンは体の抵抗力を弱め、歯ぐきの炎症を隠したり、傷の治りを遅くしたりしてしまいます。さらに、喫煙によって歯ぐきからの出血が抑えられるため、歯周病の症状に気づきにくくなることもあります。これらの理由から、歯周病の予防や治療には禁煙がとても大切です。
バランスの良い食事を心がける
歯周病を予防するには、バランスの取れた食事が大切です。しっかりとした栄養は、歯や歯ぐきの健康を守り、体の抵抗力を高めてくれます。食生活を見直すポイントとしては、以下のことに注意してみてください。
よく噛んでゆっくり食べる
野菜や果物を積極的に摂る
栄養バランスを考えた食事にする
糖分を控える
早食いは食べ過ぎにつながりやすいので、よく噛んで唾液と食べ物をしっかり混ぜながら、食事を楽しむことが大切です。また、繊維の多い野菜や、ビタミンA、C、Dが豊富な食べ物を意識して摂りましょう。さらに、糖分の多い食品や飲み物は控えめにし、甘い飲み物を水や緑茶に替えるのもおすすめです。
ストレス管理を行う
ストレスも歯周病のリスクを高める要因の一つです。ストレスが溜まると体の免疫力が低下し、歯周病菌に対抗する力が弱くなります。また、ストレスが原因で食生活が乱れたり、口のケアがおろそかになったりすることも考えられます。ストレス解消には、運動や趣味、十分な睡眠など、自分に合った方法を見つけて実践することが大切です。また、ストレスによる歯ぎしりや食いしばりも、歯や歯ぐきに負担をかけるため、気づいたときには意識的にリラックスするよう心がけましょう。
まとめ
歯周病の主な原因は、歯の表面に付く歯垢(プラーク)です。適切なケアをしないと歯垢が歯石になり、歯周病を引き起こしてしまいます。不十分な歯磨き習慣、喫煙、ストレス、さらには全身の健康状態も、歯周病の進行に影響します。予防のためには、正しい歯磨きや定期的な歯科検診、禁煙、バランスの良い食事、ストレス管理がとても重要です。早めに症状を見つけて対処することが大切なので、気になることがあれば早めに歯医者さんに相談しましょう。歯周病の予防や治療について気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。